目的もなくパソコン教室に通っても意味がありません

10年位前までは「今どきはパソコンくらい使えなきゃ仕事もできない」と言ってパソコン教室に通う中高年層が多かったと思います。

スマホやタブレットなどが普及したことと、Webでできる帳簿管理やタスク管理などのクラウドサービスが低価格で利用できるようになったことで、パソコンを覚えなくても仕事ができるようになりました

とはいえ、確定申告でe-Taxでの申告や領収書を電子化するなどの対応をしないと65万円の控除が受けられないなど、アナログでやってきた事業者はデジタル化の波に追いやられてきました。いわゆる「デジタル難民」です

では、追い込まれた事業者はパソコンを覚えなきゃいけないのでしょうか?e-Taxもスマホでできますのでわざわざパソコンを買う必要はありません

それでもパソコン教室に通う人が多いのはなぜでしょう?

パソコンで何をするのか

パソコン教室に通いたいと思う人の多くは、漠然と「パソコンを覚えたい」「EXCELが使えるようになりたい」という感じだと思います

デジタル化に対して漠然とした不安を解消するために、とりあえずパソコンを覚えようとして通うと、「覚えたけど使うシーンがあまりなく使わないうちに知識が消えてしまった」「やっぱりスマホでほとんどが済んでしまうのでパソコンはほこりをかぶっている」こんなことになっているかたも多くいらっしゃることでしょう

ただWindowsを覚えたい、EXCELを覚えたいでは何の成果も得られず時間だけが浪費しますので、まずは目的を明確にすることから始めてみましょう

業務でパソコンを使わない職種の場合、なにかの管理、手続きなどノートや手書きで行っている作業を、デジタルに置き換えることで作業時間が短縮されるかどうかを考えます

例えば、手書きの出納帳をデジタル化すれば合計の計算などが自動でできるようになれば、電卓をたたく時間や計算ミスの再チェックの時間が無くなるので効率化が図れます

パソコンじゃなくてもできる

次に、その出納帳のデジタル化を、パソコンでなにかのソフトを使ってやるのか、スマホにアプリを入れればできるのかを調べてみます。ほとんどのかたはスマホをお持ちですので、情報収集はスマホのネット検索で十分可能です

スマホを電話としてしか使っていない方は、最初にすべきことはスマホでチャットやSNS、便利アプリを利用してください。スマホでネット検索をして情報収集をするところから始めます

ご自身で調査し、スマホで使える出納帳アプリを見つけたらパソコンは覚える必要はありません。無料版やお試しで操作してみて、操作性が悪い、画面が小さすぎて帳票として表示しきれないなど、デジタル化のメリットを感じなかったとき、はじめてパソコンを使った置き換えを考えることになります

明確な目的をもつ

出納帳をデジタル化し、帳簿記入の作業時間短縮、ミス軽減を実現したいが、スマホの出納帳アプリでは使い勝手が悪いのでパソコンを使った作業をしたい

今回の例では、これが明確な目的になっています

デジタル化できそうな作業は1つだけではありませんので、出納帳以外にも見積書、請求書作成、在庫管理、発注管理などいくつもあった場合は、それぞれスマホとパソコンどちらでやれるかを考えましょう。複数のデジタル化候補があれば1つはパソコンが必要になると思います

さまざまな手段がある

出納帳のデジタル化をパソコンを使って実現するところまで明確になりました。ただ、パソコンがあっても出納帳は作れませんので、どんなソフトを使うかを調査する必要があります

手書きのイメージのまま表を作成するのであればEXCELなどの表計算ソフトですね。表計算ソフトは自身で表を作成し、計算結果を反映させるための数式などを埋め込まなければ結果が出ませんので、かなりのスキルを要求されます

決まった様式に必要な金額や数値を入力すると、用意された書式に結果が出力されるような経理系ソフトというのもありますね。数式や関数を覚える必要もないので、手書き時代の経理の知識があればソフトの操作を覚えるだけでできそうです。ただし、手書きの出納帳フォーマットとは違う書式になることもあり、慣れるまでは操作に戸惑う可能性があります

このように手段の選定は、ある程度の知識がないと誤った方向に進んでしまいますので、同業のお知り合いに何を使っているかを聞いたり、当社のようなIT関連業者へご相談されるのがよろしいかと思います

習うならOSの基本操作から

目的の作業を行うためには、アプリケーションソフトが必要です。それがEXCELであっても、Webブラウザ上で機能するアプリケーションであっても、画面を大きくする、移動する、左クリック、ダブルクリックなどの基本的な操作は一緒ですので、それを覚えることが重要です

基本操作を教える教室も多くありますが、実機を使って操作するのであれば、本屋さんでWindowsの基本操作の本を購入してネットカフェでマシンをいじるというのでも習得するうえでは問題ありません。基本操作なので教室に通うまでもないと思います

パソコン教室は最終手段

リタイヤ後に趣味でパソコンをやる方やプライベートで動画編集、画像加工などスマホでは難しい作業を行いたい人はパソコン教室に通ってスキルを習得するのは良いと思います

事業者は業務として時間と費用をかけてそのスキルを身につける必要があるのかを第一に考えなければなりません

出納帳をオリジナルで作りたいのでEXCELを習いたいという気持ちはわかりますが、授業では出納帳に必要な関数だけを教えるのではなく、EXCELの主要な機能をまんべんなく教えるため不要な機能もたくさんあり、取捨選択する術もわかりませんよね

デジタル化したい仕組みが複数あって、大半がEXCELなどのオリジナルで作らなければならない場合に受講するのが良いと思いますが、それでも数式や関数の組み合わせ、関数ではまかないきれない部分をマクロ(プログラミング)を追加するようなレベルになると、半年通ったくらいでは覚えられません

それでも通いたいということであれば、EXCELなら基本操作までを習得していただき、作成は外注したほうが確実に目的を達成することができると思います

まとめ

世の中デジタル化が進んで取り残される不安から、とりあえずパソコン教室に通うのは時間と労力の無駄です

  • 何をデジタル化するのか洗い出し、目的を明確にする
  • パソコンでなければ達成できないのかを精査する
  • 目的を達成するデジタルツールを選定する
  • パソコンの基本操作を覚える
  • オリジナルで作成する場合は費用対効果を考える
  • 委託することも視野に入れる

パソコンは基本操作ができればどうにでもなります。ただしOSがWindowsかMacかによって操作性はかなり変わってきますので、そのあたりも最初の段階で既にパソコンで業務を行っている知人やIT専門業者へご相談されたほうが良いですね

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